問一:語句の反復使用
一段落(三〇〇文字)の語りを執筆し、そのうちで名詞や動詞または形容詞を、少なくとも三回繰り返すこと(ただし目立つ語に限定し、助詞などの目立たない語は不可)。
一日はパンから始まるものとされている。しかし皿に置かれたそのコッペパンはいやにかぴかぴとしており、古傷のような切り込みに挟まれたかぴかぴのソーセージはもはや不吉の象徴ほかならない。口の中をかぴかぴにさせながらパンをのみほし、朝の情報番組に目をやる。おとめ座のあなた、本日はかぴかぴな一日になるでしょう。ラッキーアイテムはソーセージ。——そんな馬鹿な。よくよく見れば消費期限をとうに過ぎているソーセージの袋をテーブルにひっくり返す。念押しに一本つまんでみるがやはり依然としてかぴかぴしている。そのとき、脳みそに電流が走った。ばら撒かれたソーセージたちは一見ソーセージとしての役割を終えているのだが、遠目に見れば、それぞれが身を寄せあい、なにかを伝えようとしているようにも見える。それは数字。ソーセージが数字の「47」を形作っているのだ——。私はこの47を握りしめ、街へ出た。